電磁気学は、これらの電磁的現象を電荷と電磁場の相互作用として説明する理論体系である。 電荷は物質に固有の物理量であり、物質と電磁場との結び付きの強さを表す量である。電磁場は、時空の各点が持っている物理量であり、物質間の電気的作用と磁気的作用を媒介する。 電磁場としては、スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルの組か、もしくは電場と磁場の組を考える。特にこれらの組を区別したい場合には、前者を電磁ポテンシャル、後者を電磁場と呼ぶことがある。電場・磁場は直接に観測が可能であるが、電磁ポテンシャルは観測によって一意に定めることができない。しかし、電場・磁場では説明できないが電磁ポテンシャルでは記述できる現象が存在する(アハラノフ=ボーム効果など)ので、電磁ポテンシャルの方が本質的な物理量であると考えられている。 電磁場は電荷と電流(電荷の流れ)に力を及ぼす。この力をローレンツ力という。逆に、電荷・電流の存在は電磁場に影響を与える。電磁場のふるまい、および電荷・電流が電磁場に与える影響は、マクスウェル方程式で記述される。ローレンツ力とマクスウェル方程式は、電磁気学における最も基礎的な法則である。 |